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――――っ!
パリンッ!
「!鏡さん!?」
鏡の足元に割れたグラスの欠片が散らばる。
「あ……すっすみません!」
鏡は慌てて割れた欠片を拾おうと手を伸ばした。
「!!鏡さん、素手じゃっ「いっ……」
優壱の心配は遅く、鏡の人差し指には赤い筋が出来ていた。
見た目以上に深かったらしく、ぷくっと膨らんだ血が重力に従い垂れそうになる。
床を汚してはいけないと、慌てている鏡の手がグイッと引っ張られた。
何事かと視線を向ければ自分の指が優壱に加えられていた。
そして垂れかけた部分もなぞるように丁寧に舌を這わせる。
相変わらず滲んでいる指の傷を舐め、クチュリと音をたてて優壱の顔が離れて行った。
「消毒にはなったと思います
念の為消毒液とバンソーコーもらって来ますね」
優壱は鏡に背を向け、走り出した。
鏡は怪我をしていない方の手で顔を覆う。
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