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「ここはカジノです。勘違いなされませんように。どうかお引き取りください」
「黙れ!!」
客が苦し紛れに投げたグラスが……
鏡に向かった。
「!!鏡さん!!」
「え……?」
鏡は咄嗟に腕でグラスを防いだ。
だが、グラスは砕け散り怪我は確実だろう。
「鏡さん!!」
優壱は慌てて鏡に駆け寄る。
うずくまっている鏡の腕は切れ、血が滴っていた。
「鏡……さん……」
「大丈夫です。見た目より浅いですから」
カチリと優壱のスイッチが入った。
優壱はポケットからハンカチをだし、鏡に差し出した。
「使ってください」
「あっ、うん。ありがとう……」
鏡は優壱の異変に気づきつつもとりあえず受け取った。
優壱はユラリと歩き出した。
「優壱君……?」
優壱が前にしたのは先程の客だ。
「あんだぁ!?まだやんのかコラぁ!」
まだ酔っているらしく優壱に怒鳴る。
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