賭け

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その直後、鈍い音と共に男は転がって行った。 その原因は優壱の蹴りだ。 優壱は更につかつかと歩み寄り、呻いている男の顔面を蹴り飛ばした。 客達は巻き込まれぬようにと男と優壱から離れていった。 再び床を転がった男は虫の息だ。 「やめろ!!如月!!」 他のボディーガード達が優壱を止めにかかるが、優壱に見つめられこう言われた。 「退け」 その瞳は正気を失った狂人の目だった。 放たれる異様な雰囲気に呑まれ、ボディーガードは硬直してしまった。 そして横を優壱が通る。 ドッと汗が噴き出す。 凄まじい恐怖。 一瞬、殺されるのではないかと思った。 優壱は倒れている男の胸に足を置いた。 ゆっくりと体重をかけていく。 肺が圧迫され、息を吸うことは叶わず、男はただ息を吐くことしか出来なかった。 更に肋骨も悲鳴をあげ始める。 男が泡を吹き始めたその時、優壱の体が吹き飛んだ。
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