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自分が殴られたと気付いたのは転がっていき、テーブルにぶち当たり、痛みが走り始めてやっとだった。
「何をやってやがる」
見下ろして来たのは……巴だった。
巴は何も言わない優壱の胸倉を掴み上げ、もう一度問いかけた。
「何をしやがったのかってきいてんだ」
「……すみません……」
巴はチッと舌打ちし、優壱を投げ捨てた。
客は既に気絶していた。
客は病院に搬送され、優壱は裏に引っ張って行かれた。
一時は騒然としていた店内もやがて何事もなかったかのように通常運営を始めた。
優壱は椅子に座らされ、目の前には巴が座っている。
「他のボディーガードから大方はきいた」
「……すみません……」
「それしか言えねえのか」
巴は苛ただし気に吐き捨てた。
「俺が起こした行動で店や職員の皆さんにご迷惑をお掛けしたこと重々承知してますので……
俺には謝罪しか出来ません」
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