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「手応えがねぇ……。なるほど、タイミングを合わせて自分で飛んだか」
「フェイント……モロに真に受けましたよ」
優壱はスッと立ち上がり、苦笑した。
「ビクビク怯えてるからそうなんだよ
弱いから怯えんだよ」
巴の言葉に優壱はピクリと反応した。
そして巴に殴りかかろうと前に出た時、振り上げられた巴の拳で地にひれ伏した。
飛びそうになった意識を必死につなぎ止める。
「ったく。俺に一発掠らせることさえ出来ねえのかよ
そんなんでよく他人を守ろうなんざ思えたな
自分さえ守れねえような奴が他人を守れる訳ねぇだろ
守ろうとして……失うだけだ
お前を信じてた奴は裏切られて死ぬ
とっとと失せろ
あそこは餓鬼の遊び場じゃねぇ」
巴はザッと優壱に背を向けた。
「待ってください!!」
優壱は震える足で懸命に立ち上がろうとする。
「諦めろ」
「諦めません……っ」
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