思いは

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言い合いをしていた二人は優壱に視線を向ける。 相手は“こういう世界”の大先輩であり、年齢も自分より13も上なのだ。 そんな二人に同時に見られるとどうにも緊張する。 「えっと……今回は助けていただいてありがとうございました」 優壱は二人に頭を下げる。 「別にお前を助けた訳じゃねぇよ」 いや……うん……円さんは閑さんを助けに来たってことはしっかりわかってます。 円に続いて閑が口を開く。 「ボディーガードは一人の仕事って訳じゃないんだからお礼なんていらないよ 事態を素早く終息させればそれでいいんだ」 「ならやっぱり俺のやり方が一番だろうが」 「……八割がた巴を説得するのは諦めてるよ」 閑は少し疲労感を滲ませたため息をつく。 その原因を作った優壱はとにかく申し訳なかった。 優壱はボディーガードになって間もない。 今も先輩方の動きを見習って動いている身だ。
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