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看護婦が帰った後、その女性のいる部屋に向かう。
スライド式のドアを二回ノックした。
中から返答は返ってきそうに無かったのでドアを開けて、無断ながら部屋に入った。
そこにはベッドに横になりながらもこちらを確かに見つめる彼女の視線があった。
「あの…こんにちは」
「…」
「突然すみません
良かったですか?」
「…」
彼女は無言で頷いた。
「あの…失礼なんですけどあなたは僕を知っていますか?」
「…」
首を横に振る。
「ではあなたは自分が誰か分かりますか?」
「…」
また、首を横に振った。
「そうですか…
実は僕もなんです」
彼女は驚いた表情を見せ、こちらをじっと見つめる。
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