第一章 幻の日々

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「はぁ、あの日の夢か……」 俺はお前を裏切った、それ以外の道はなかった。 俺にはお前を助けるすべはなかった、きっとお前は俺を憎んでいるだろう。 「輝、悪い夢でも見たの?」 凪は俺に問いかけてきた。 「昔の夢を少し見ただけだよ、気にすんな。」 きっといつかは会うだろうな…… 敵としてだろうがな、今さら仲間になる気もさらさらなかった。 「凪、今日は学校行かないのか?」 凪に問いかけた。 最近は任務に行くことが多くなり学校を休みがちだった。 「学校言ってる暇ないよ……任務もかなりたまってるしクラスアップすると大変なんだね。」 凪はガクリと肩を落とした。 「そう悔やむなよ、俺よりはましだ。」 一人で中隊を相手するときもある。 クラス的にはそれくらいできる人間と決めつけられてしまっている。 「今日は学校行ってもいいよ、俺が任務片付けておくから。」 凪に言うと物凄く嬉しそうな笑顔が帰ってきた。 「ホントに!! やったーお兄ちゃん大好き!!」 凪はそう言って抱きついてきた。 凪は楽しいのだろうかいつか滅ぼさねばならない自分の友人たちと過ごしていて…… 「まぁ、それも定めか……」 そっと呟く。 それにしてもリーゼロッテは何をしているんだ? 最近はめっきり帰ってこなくなったが、男か?男ができたのか? それはそれで全くもって構わないのだが、仕事はしっかりやってくれないと俺が上に言われるんだよな…… そんなことを考えていると重々しいアジトの扉が開いた。 「ただいまー、輝!! 元気にしてたー?」 ハイテンションなリーゼロッテってが帰ってきた。 「リーゼロッテ……仕事しろ!!」 若干怒りを込めていった。 するとリーゼロッテの得意気な顔が帰ってきた。 「お出かけついでに片付けて来ちゃった」 「直接いくなら連絡入れてくれよ…… 危うく俺がいくところだった……」 リーゼロッテは不思議そうな顔をしていた。 「えっ? ならやってもらえばよかったぁー」
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