vs. 風を操る少女 ミウ

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風が走り抜けた。 オレの頬が切れて血が滲んだ。 少し距離をおいて立っているゴスロリ少女の放った攻撃。 能力はほぼ間違いなく【風】だろう。 ダークブルーを基調としてレースやフリルがいっぱいついた衣装に身を包んだ少女は睨み付けるでもなく、感情のない眼でオレを見ていた。 さっそくのピンチだ。 特訓の成果を発揮できる気が全然しない。 「風弾(かざたま)」 少女が氷のような表情のままで呟くように言う。 再び空気の塊が飛ぶ。 もちろんオレに向かって。 今度は大きく横っ飛びにこれをかわす。 着地と同時に足首に衝撃を感じた。 そのままぐるりと世界が回り、 一瞬遅れて自分が転倒したのだと理解する。 着地の瞬間を狙ってさらに風弾を撃ちこまれたのだ。 巧い攻撃だ。 戦闘フィールドに草原――市民公園を選んだのが失敗だったな。 もっと障害物とかがあれば盾にもできたのに。 雑木林やまばらながらも立木のある小高い丘は少し離れた所に見えているが、そこまで移動するのはとても無理そうだ。
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