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炎の矢の着弾点。
爆ぜた地面の、煙と砂埃の舞う中に、人間大の影がもぞりと動いた。
そのシルエットを見て、オレにはひとつの予感――確信があった。
「ダイダラオオカブト」
昆虫界の王者。
個体としての戦闘力なら間違いなく昆虫の中では最強。
先のタワラオオムカデは最近になって発見された種なので、比較したデータはまだないはずだが、オレの直感ではこっちの方が強い。
そして何よりカッコイイ。
墨色の外殻。
力漲る角の三本の角。
胸部に二本と頭部に一本。
その食性はやはりカブトムシなので主に樹液だ。
太刀打ちできる生物などそうそういないが、捕食をしないのでその武力は縄張りを守るためだけに使われる。
だが現したその姿に、オレの期待は斜め上に裏切られる。
「なんか、変だ」
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