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実物を見たことはなかったが、オレの持つイメージとは微妙に異なるディティール。
つか、何より二本足で立ってる。
いやいや、二本足って……。
あげくに
「よく、ワタクシの潜んでいる場所が分かりましたね」
喋ってるし…………。
「ああ、ごく僅かだが自然でない盛り上がりがあった。まあ、何もいなけりゃいないでそれで良かったんだがな」
ガラ師匠もフツーに虫と話してるし………………。
「ワタクシ、特公の三本松 ススム(さんぼんまつ すすむ)と申します。以後お見知りおきを」
あげくに自己紹介だよ。
最近の特公は虫まで雇ってんのかよ。
人手不足だな、おい。
「俺は名乗る必要ねぇよな。それにしても趣味の悪い鎧着てやがんな」
鎧?
そうか、やっと分かった。
あれは人間がカブトムシの外殻を纏ってるんだ。
「なんて酷いことをっ! そのためにその虫を殺したのか!?」
理解した途端に、オレは叫んでいた。
許せなかった。
虫を操るという能力を持っていながらこの男には虫を思いやる心というのが全くないのだ。
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