襲撃

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「そう言うお前さんは第三世代か?」 「そうです。洗練、進化の極致。特公は第三世代になって完成されたのです」 「所詮養殖じゃねぇかよ」 ガラ師匠の漏らした言葉は意外にも相手に向けられたものではなく、独り言として呟かれたものだった。 風に乗ってオレの耳には届いたけど、敵には聞こえなかったみたいだ。 「で、第三世代のススムさんとやらはこのハチと、嬢ちゃんの始末にパシラされたってわけだ」 今度は揶揄する調子で相手にも聞こえるように言った。 相手からするとかなりムカつくだろうな、コレ。 「尾南君はそうですが、平野さんに関しては予定を変更します」 吐き捨てるようにススムが言った。 思った通り、ずいぶんとムッとした様子だ。 「資料にはなかったさっきのあの技は、特公にとっても十分に有用です。今後はせいぜい兵器として活躍してもらうことにしましょう」 「まあ、どんなつもりでもいいけどよ」 言いながらガラ師匠は縄苦無を振り子のように左右に振り始めた。
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