襲撃

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身を捻っての跳躍。 ガラ師匠は空を噛むムカデの上の宙にいた。 師匠は読んでたんだ。 だが、次の瞬間その胴体を打ち抜く漆黒の角。 ススムが空中のガラ師匠に向かって砲撃のような跳躍で襲い掛かっていた。 ヤツの方は師匠が不意打ちを躱すことまで計算に入れてたんだ。 「ししょーっ!」 あの角を受けて、生き残れるとは到底思えない。 オレは我知らずに叫んでいた。 「ちっと待ってろ。今終わるからよ」 意外にも平然とした声が上から返ってくる。 もつれるように重なりながら地面に落ちてくる二人。 「離っ」 着地とほぼ同時に師匠の声が響き渡った。 爆発。 飛び散る漆黒の装甲。 漂う煙と祈りを捧げるように膝を折るススムのシルエット。 その上半身は…………いや見ないでおこう。
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