嵐の前の凪のような

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もう二人いる内の一人、クロメより一回り小さな体躯。一回り小さい彼女の通り名は純白の王女。太陽のように光り輝く肌の色。透き通るような銀髪。極めて想像の神に近しい中性的な顔立ち。 クロメの通り名である影の魔法使いと対照的に、彼女の場合は容姿を誉められ、認められ、皮肉など一切なく、賞賛の意から、そう呼ばれている。 純白に相応しい綺麗な魔法と、聖女に相応しい神秘な奇跡を引き起こせるらしい。クロメは、彼女と二度三度ほど顔を合わせたことがある。彼女も彼を覚えていたようだが、二人の間に会話が発生するほど近しい距離に彼らは居ない。 また陽気なクロメに対して内気な彼女。彼にして見れば会話の対象に相応しいとも思えなくて。  
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