月明かり照らす雪降る都で

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「そうだと言ったら?」 「あんたら長州は、結構な馬鹿ってことになるよ。確かにあたしは新選組に友人がいる。こんな風に狙われたことだって何回もある……。そんな人が、何の対策もせず夜の町を彷徨くと思って?」 挑発と取れる言動。男はそれを鼻で笑う。 「何か策があって、俺たちを誘き出したって言うのか?」 「そうよ………もうそろそろ着く頃じゃないかな?」 その言葉に、男の部下数人がさっと顔色を変えた。 「…………ね?壬生狼さん」 その言葉と同時に、近くの屋根から女性と男の間に降りてきた影。 とん、とごく軽い音を立てて着地したのは、浅葱色のだんだら羽織を纏った人。 呆気にとられている男たちをよそに、すでに抜いていた刀で女性を拘束していた男の片腕を、肩から斬り落とす。
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