月明かり照らす雪降る都で

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「ぎゃあああっ!?」 思わず女性から離れたその男は、次に放たれた心臓への一撃を受け、地に沈む。 「遅いよ、三葉」 「まさか店を出てすぐに捕まるとは思ってなくてね。人気者だねぇ、冷麗は」 冷麗を背後に庇いながら立つ三葉の顔には、余裕とも取れる笑みが浮かんでいる。 「壬生狼……新選組か!」 「ご名答。長州っていっても、あんたら下っぱみたいだし………全員殺っちゃうね」 「たったひとりで俺たちを殺ろうってのか?その女を庇いながら?」 「一人じゃないよ」 後ろから聞こえた、いるはずのない第三者の声に、長州勢全員が固まる。
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