月明かり照らす雪降る都で

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恐る恐る、といった感じで、全員がその声の方を向く。 三葉と同じく浅葱色の羽織を纏い、抜き身の刀を月明かりに輝かせ、静かに佇む男が一人。 その男が、不敵に微笑むのを見たとたん、長州の男たちは一目散に路地の出口へと走り出す。 「あはは、だめじゃないか敵に背中を見せちゃあ」 面白そうに笑いながらも動きは速く、一番後ろを走っていた数人を瞬く間に斬り臥せる。 「新選組の縁者に手ぇ出したんだ。死ぬ覚悟くらいはできてるよね?」 逃げる男たちの耳にその言葉が届いたと同時に、彼らの間を一陣の風が走り抜ける。
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