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(もう、時間潰せるような店も、なくなっちゃったよ)
駐車場の灯りを見て、アタシは溜息をついた。
集中豪雨のような雨は、勢いをなくして、今は灯りの下にその微かな雫が確認できるくらいの、しとしととした雨が残ってる。
さっき、一度だけ電話したら。
「ごめん、もう少し待ってて」
もう少し、ってどのくらい?
何してるの? 何処にいるの?
でも。
「忘れてないから」
穂積がアタシを安心させるように言うから、何も聞けなくなった。
ショッピングセンターも、通常のショップはみんな閉まっちゃって。
行き場所なくなって、上の駐車場に来てる。
(もう帰ろうかなー)
ずっと待ってるのに、何の反応もない携帯電話をじっと見つめた。
「まだいたのか」
呆れ果てたように言って、だけど優しく、アタシに傘を差しかけてくれたのは、穂積じゃなかった。
「店長」
「何やってんだ、あいつ」
アタシが聞きたいよ、それ。
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