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親友=悪友=親友
朝のHR前の騒がしい教室。
知紗兎は机に缶コーヒーを置き、本を読んでいた。
(…はぁ…)
心の中でため息をつく。
実際のところは本の内容なんて頭に入ってこない、ただ上から下へと活字を追っているだけだ。
頭の中は昨日のことばかりが占めている。
(…いい加減、頭の中切り替えないとな…)
とりあえず次のページをめくろうと手をかけると、目の前が急に真っ暗になった。
(………?)
それとともに、上から降ってくるテノールの声。
「だーれだ?」
「………」
聞き慣れた声に顔を見なくてもわかる。
しかし、今の知紗兎には正直かまってやる気力もない。
「あれ、もしかして朝から僕に会えた嬉しさで声もでない?」
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