厄日と吉日は紙一重

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  「失礼します」  軽くお辞儀して、茶道部の顧問の元へ向かった。 「あ、お疲れ様」  顧問は知紗兎に気付くと軽く手をあげた。 「鍵返しに来たんですけど」 「うん、お疲れ部長。いやいやしかし、私の予想通り…いや予想以上!似合ってるね~、着物~」  知紗兎は「男物ですけどね」と苦笑して返した。 「でも、其処らの男子じゃ似合わないわよ~」 「先生、俺が女って知ってます?」  この顧問だけに、本当に自分を男だと思っているかもしれない。  そんな知紗兎の考えを見透かすように顧問は笑った。  
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