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「ごめんね。電話しちゃって」
いつの間にか電話を終えてたみたいで、お姉ちゃんはスッと部屋に入ってきた。
「何の電話だったんだ?」
「大した用事じゃなかったのよ」
「どーせ"好き"とか"愛してる"とか言われてたんでしょ?!」
冗談で言ったつもりだった。
でも、当たりだったみたい。
「そんなこと無いよー」
そう言うお姉ちゃんの表情は別に変わらない。
けど図星のことを言われると、お姉ちゃんは爪をいじりだす。
本人は気付いていないみたいだけど、ずっと一緒にいるあたしたち3人には分かる癖。
「…ッ」
息をのむ音が聞こえ、そちらを向くと、寛人がハッとした顔をする。
…と思ったら、その顔は一瞬で元に戻り、お姉ちゃんと京にぃとまた喋りだした。
寛人のあんな顔、最近よく見るようになった気がする…
確か、ちょうど1年くらい前からだったと思う。
何か悩みでもあるのかな?
前からずっと聞いてみたかったけど、寛人のさっきの顔を思い出しちゃって、なかなか聞けなかった。
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