第1章

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――― ―――――― 翌日。 今日からバスケ部の朝練に参加してもいいらしく、あたしと寛人は早速参加することにした。 7時から始まる朝練に行こうと思ったら、5時30分には家を出ないといけない。 …意外と櫻ノ宮って遠かったんだと改めて知った。 お姉ちゃんが朝早くに家を出てるのは分かってたし、実際に昨日も行ったけど… 5時に起きないと、私は5時30分に家を出ることが出来ない。 つい2週間前までは、歩いて5分もかからない公立中学に通っていたから、6時30分に起きていた。 突然1時間30分も起きる時間が変わるって、結構キツい。 しかも昨日の寛人の様子が気になってなかなか寝れなかったし… とにかく、寝不足で眠くて仕方なかった。 毎朝京にぃとお姉ちゃんが乗る電車には、何とか乗ることができた。 時間が早いからか、車内には人が全然乗っていない。 あと1時間近く電車に乗るから、4人で座ることにした。 あたしは眠くて、早く座って寝たかったから、1番近くに空いていた席の端に座った。 「ねむい…」 「緊張して眠れなかった?」 あたしの左隣に、京にぃが優しく話しかけてくれながらスッと座った。 「うん、ちょっと緊張してる。けど…楽しみだよ」 「しぃちゃんは本当にバスケ好きだよね。昨日、寛人は緊張して眠れなかったみたいだよ」 「寛人も相当なバスケ馬鹿だからね」 寛人には聞こえないようにヒソヒソと話す。 地獄耳だからなー、寛人… 自分の悪口にはよく反応するんだよね…
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