第1章

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「結構楽しかったな!」 「強豪校だけあって、先輩らも強ぇしな」 「櫻ノ宮来てよかったぁ」 「俺も。京介も千香サンもいるし!」 …なんて寛人とダラダラ喋ってると、寛人が突然慌てだした。 「やべぇ!あと2分で遅刻になるぞ!」 「えっ、嘘!?いきなり遅刻とかハズいよ!」 「ダッシュしたらなんとか間に合うかも」 「じゃあ早く行こっ!」 ――― ―――――― ガラガラガラッ!! 「ここって3組?」 適当に、その辺にいた男子に聞いた。 「そうだけど…」 キーンコーンカーンコーン―― 「よかったぁ!間に合った。ってあれ?寛人は?」 バタバタバタッ 「しぃ…!走んの…っ、ハァ、早すぎ…!」 寛人は遅れてきて、肩で息をしていた。 あたしは寛人ほど息は乱れてない。 「だって遅刻したくないじゃん」 「やっぱ、ハァ、相変わらず、…しぃの体力と、脚力はバケモノだわ…」 「バケモノは褒め言葉として受け取っとく」 「お前ら、教室入んないの?」 背後から聞こえた声に振り返ると小西潤先生が立っていた。 「あっ、潤ちゃんだ。おはよ!」 「おはよって…さっきも会っただろ」 「あぁ!そういえば朝練いたね」 小西潤先生は担任であり、顧問でもある。 まだ25歳の若い男の先生で、わりとイケメンだ。 先輩たちは、若いから親しみやすいのか、"潤ちゃん"って呼ぶらしい。 だからあたしも"潤ちゃん"って呼ぶことにしたんだ。
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