第1章

15/17
前へ
/17ページ
次へ
「ショートホームルーム始める時間だから早く入れよ」 「「はーい」」 あたしと寛人は昨日決めた席に座った。 入学後すぐの席は特に先生たちに決められていないみたいで、自分たちで決めたんだ。 だからあたしと寛人は隣の席なんだ。 「んじゃ挨拶するか。委員長は…まだ決めてないから、とりあえず浪川大地!まかせるわ」 「わかりました」 浪川大地と呼ばれた男子は、「起立、気を付け、礼」と言い、号令をかけた。 そういえばさっき「ここって3組?」とあたしが聞いた男子だ。 たしか学年首席で、昨日の入学式で喋ってた気がする。 よく見たら…結構きれいな顔してるな。 短髪の黒髪に切れ長のクールな目、吸い込まれそうなほど真っ黒で、きれいな瞳によく映える青い太縁の四角いメガネが、さらに本人をきわ立たせている。 秀才っぽい、真面目な顔だ。 きっとスポーツもよくできるんだろうなぁ… ――― ―――――― いつの間にやら6時間の授業を終えていて、今は7時間目のロングホームルームになっていた。 今日のロングホームルームでは、役員を決めるって朝のショートホームルームで言ってたらしい。 その話、ボーッとしてて聞いてなかったんだよな… つか、あたし今日ボーッとしすぎだろ。 "いつのまにか"ってことが多いわ!
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加