第1章

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今日のロングホームルームは、委員長とか風紀委員とかを決めるんだって。 実はあたし、体育委員になりたいんだよね。 櫻ノ宮は5月に体育祭があって、体育委員は早速仕事があるんだ。 体育祭の準備とかその打ち上げって、すごく楽しいって京にぃとお姉ちゃんが言ってた。 だから絶対体育委員やってやるもん! 「委員長は浪川で決定したいんだけど、浪川、いいか?」 潤ちゃんが浪川大地に聞く。 最初の委員長だけは先生が決めるみたい。 「いいですよ」 浪川大地は快く承諾した。 「んじゃ、進行早速まかせるわ。前に出てきて」 そこからは浪川大地が進行役となり、どんどん役員を決めていった。 「じゃあ最後に体育委員。やりたい人いますか?」 「うちやりたい!」 「陽乃さんね。他にやりたい人はいない?いないんだったら女子は陽乃さんに決定するよ」 結局誰も手が上がらず、女子はあたしに決まった。 「あとは男子。誰かやりたい人いますか?」 「じゃあ俺やる」 立候補したのは寛人だった。 「じゃあ東雲くん以外で誰かやりたい人いる?……。いないみたいだから決定で」 ふっと寛人の方を見て、小声で話した。 「京にぃとお姉ちゃんから聞いてたの?」 「うん、俺も聞いてた。でも、しぃ以外の女子が体育委員やるならやめようと思ってた」 「なんで?」 「いや、なんか俺、しぃと千香サン以外の女子って、結構…うるさいっていうか…」 「つまりはキャーキャーいわれてウザいと」 「そう、それ。だからあんま他の女子と関わるの苦手なんだよな」 「へぇ、そうだったんだ」 寛人がそう思ってたなんて知らなかったなぁ… でもその発言ってさ、自分がモテてるって思ってるからいえるよね? 寛人って意外と自意識過じ 「なんか言ったか?」 「何でもないです、すいませんでした」 心の中の悪口?まで聞こえるとか反則だろっ。 …とりあえず、無事に体育委員になれました。
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