第1章

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「なんか…早いわね。私と京ちゃんが入学したのが数ヶ月前くらいに感じてたのに」 「もう俺ら高2だよ。…全然自覚ないんだけどなぁ」 「なーにじじばば臭ぇこと言ってんだよ。まだ17歳にもなってねーじゃん」 寛人はケラケラと笑ってバカにしている。 「あと半年で17歳になるのよ?!…もう十分ばばぁだわ」 お姉ちゃんは年齢とか肌とか、とにかくよく気にする。 …あたし、お姉ちゃんはすごく綺麗だと思っているから、そういう事気にしなくていいんじゃ?っていつも思う。 だってお姉ちゃんは、姉妹とかのひいき目無しにモデル並の体型と顔だし、綺麗な赤茶色のロングヘアーだし、何より中身がすごく”女の子”なんだ。 …あたしなんかと違ってね。 「俺はまだほぼ1年先だけどな」 お姉ちゃんをおちょくる発言をしているのは京にぃ。 京にぃを一言でいうと、とにかくめちゃくちゃ優しい! …あ、一言じゃなかった。 でも本当に優しくて、いつも柔らかく微笑んでる。 こっちまでとろけてしまいそうな程甘い顔をしている。 ちょっとくせ毛の黒髪はフワフワと揺れていて、無意識に触りたくなってしまうほど。 左目の下に泣きぼくろがあって、ちょっとセクシーなんだよな… って、あたしはそんなエロい目で京にぃを見たりはしないけどね。
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