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「しぃちゃんもいつかは出来るようになるよ」
あたしを見てやわらかく微笑む京にぃを見ていると、なぜか安心できる。
本当にいつか出来ちゃいそうな気分にさせられてしまう。
「うん!いつかは作ってやるもん!」
「しぃの"いつか"はいつなんだろうな」
寛人がそう言って笑い、お姉ちゃんも笑っていた。
…京にぃまで苦笑してるよ。
だけどそんな3人を見て、あたしもつられて笑ってしまった。
――プルルルルッ、プルルルルッ、プルルルルッ…
突然誰かの携帯が鳴る。
「あっ、私だ」と、お姉ちゃんがポケットから携帯を出す。
一瞬見えたのは"翔哉"の文字。
「翔哉くんからの電話?」
「うん。ちょっと出てくるね」
"あっ、もしもし"と言いながら、お姉ちゃんは部屋を出ていった。
「相変わらずラブラブだな、おい」
寛人は、ちょっと呆れた口調で言う。
「お姉ちゃんと翔哉くん、毎日電話とメールしてるよね」
「そういえば、あと10日で11ヶ月記念って翔哉が言ってたよ」
「もう11ヶ月も付き合ってるんだ…長いねー」
あたしは"恋"とか"付き合う"とかよく分からない。
ただ、お姉ちゃんが翔哉くんとよく2人で出かけたり、一緒に学校から帰ったり、『好き』とかの言い合いをしてるのはよく見てる。
『"付き合う"ってそういうことなのか』と思う反面、『それって付き合わなくても出来るんじゃない?』とも思う。
それに、毎日のように会ってるのに、毎日電話とメールまでしてる。
毎日する意味って何があるの?
だってそんなに毎日、1日中も話す内容なんかないじゃん。
…色々考えてたら頭いたくなってきた。
元々あたしは、"考えるより動くが先"がモットーの子なんだから、考えて答えが出るわけない。
…やっぱり"付き合う"ってよく分かんないや。
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