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二人はお互いに向き合う形で座った。
気まずい。
初対面で、相手がどんな人かもわからないから、下手に口が開けない。
「あ、あのぉ。」
先に口火を切ったのは法子だった。
則子の方はと言うと、冷静なフリをして、サラっと受け答えた。
「ん??」
則子のあまりのクールさに気圧された法子だったが、負けじと冷静さを装った。
「私、神奈川から来たんですけど、そちらは??」
則子は法子が随分と余裕のある態度に内心焦りを感じたが、こちらも負けじと自己紹介から始めた。
「申し遅れたわね、北村よ。私は新潟から。」
名乗り忘れたことに焦りを感じて法子は急にテンパり出した。
「え、あ、新潟なんだ、へぇ。あ、えっと、私は小林、神奈川から来たの。……あ!」
法子は急に恥ずかしくなり赤面して俯いた。
「ぷっ。あはは、小林さん、おっかしぃ。今言ったばっかよ?神奈川なんでしょ?あはは。」
笑われた事で余計に恥ずかしくなってしまった。
「あはははは……は、は。ごめん、笑い過ぎたね、悪かったわ。でも馬鹿にする気があったわけじゃなくて、照れて真っ赤になってかわいいし、私、小林さんとなら、仲良くなれる気がするわ。」
思いの外気さくな態度の則子にかなりの好感を持った法子だった
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