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これでも守は正面の壁を狙ったつもりだった。
だがここは裏路地であり、いつどこから人が現れてもおかしくはない。
運が悪い事に、通路の陰から現れた人物の側頭に、空き缶がヒットしてしまった。
『痛ぇなこの野郎…』
しかも相手が悪かったようだ。怖面のスキンヘッドのその男は、鬼の形相で睨みを利かせている。
『アニキ!大丈夫ですか!?』
通路から更に現れたのはどこからどう見てもチンピラらしき者達の姿。しかも『アニキ』というあまりにもピンと来過ぎる業界用語。
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