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怒鳴り散らすと電話口から、いきなり大声をあげるでないわ、耳が馬鹿になるじゃろうが、と愚痴が溢れてきた。
愚痴りたいのは俺の方だっての。
「……で? 《智謀》の元当主様がどうして“勘当された”孫の好みなんかを気にするんだよ。つか、幼女って子供の女の子だろ? 好きとか公言したら、ブタ箱行き寸前じゃねぇかよ」
所謂、ロリコンて奴だろ? 断じて違う。小学生に興味を抱いたことなんて“数回”しかない。こんなの、ものの数じゃない筈だぜ。
本物のロリコンと比べたらな。
『まぁ、そう活きるな。儂の話を聞いとくれ。幼女が好きかと問いかけたのじゃから、ちゃんと答えんか』
「確かに……。訊き返したのは無礼に近かったな。謝るよ。それで、幼女が好きかって? 阿呆が、俺にそんなことを訊くなんて、テメェも年老いちまったな。涙が出るぜ」
『ふむ。何だか、酷い言われようじゃが、つまりお前は幼女、年端もいかない少女など別に興味ない、やはり大人の女性が好きという訳じゃな?』
おや?
どうやらこの耄碌ジジイは何か勘違いをしてしまっているようだ。
ならば!
その間違いを正すのが孫の務めであるし、ロリコンを目指す俺の義務でもある筈だよな!?
「んな訳ねぇだろが! いいか、ジジイ。幼女って云うのはな、穢れてない唯一無二の女だぞ。年を取るに連れて、無垢な姿からケバい姿に変わっていく女という人種で、唯一穢れを知らずに純粋無垢なまま存在している、天使のようなものなんだぞ」
『…………』
俺は一拍置いて、
「断言しよう。俺は、幼女が大好きだ」
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