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「なら何ですか? 新しい奴隷ですか?」
「新しい!? 俺、生きてきた中で一度も奴隷なんて作ったこと無いよ!?」
そもそも、奴隷なんて作れるものなのか? 江戸時代の頃まで“えた・ひにん”的な身分もあったようだけれど、今はそんなの無いし。
「なら、セフレですか?」
「これには二つほど突っ込むべき所があるから、最後まで噛まずに言えるか心配で仕方無いけれど、この際だから言ってやる! 一つは、俺は妹からセフレを作りたいと思わせるほどに欲求不満と思われているのかと言うことと、そしてもう一つは、小学六年生がセフレとか口にしてんじゃねぇ!」
つか、何でセフレなんて言葉知ってんの?
「今時の小学六年生を甘くみないで欲しいですね。セフレなんて、日常会話で頻繁に使いますよ、愚兄」
「どんな小学六年生だよ! 傍目から見たら普通に怖いわそのグループ! つか、然り気無く愚兄って呼ぶなよ!」
なんか、手のひらで踊らされている感じ。小学六年生に。六つも下の妹に、だ。
情けない。
「しかし。何とも酷い惨状ですね」
突如、話を戻され、俺は周囲を見渡した。確かに。道路は至るところで陥没し、ブロック塀は崩壊し、電柱もへし折れている。
さながら、爆弾が突然いきなり暴発したかのような惨劇だ。
「解、頼んでもいいか?」
「構いませんが、あの女のこと、本人もちゃんと同席させた上でちゃんと説明してもらいますよ?」
考えるだけで恐ろしいが。
今は解の忌能に頼る他無い。
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