第1章 遥かな冒険へ

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~1ヶ月半前~ 授業が終わり、敏夫は荷物を片付けながら手際よく、椅子を机の上にあげる。 敏夫「さぁーて、今日はゲーム情報誌の発売日だったなぁ・・・。 金あったかなぁ。」 そういって、敏夫は徐に財布を取り出す。 財布にはポケモンシールが山ほど貼ってある。 敏夫「ひーふーみー・・・よかった。 なんとか買えるだけの金は残ってたわ。」 そう言うと、敏夫は足早に教室を去り、靴を履いて帰りの途中にある、本屋へ急ぐ。 あのゲーム情報誌はかなり面白く、早く行かないとすぐに売り切れてしまうからだ。 息が荒くなりながらも、敏夫は普段なら歩いて15分かかる本屋を5分くらいで済ませた。 敏夫「はぁ・・・はぁ・・・。 おじさん! まだ例のやつ在庫ある?」 爺「おぉ今日も来たか。 残って折るぞ・・・。」 そう言って爺さんはいつものようにゲーム情報誌を手にとり、現金を受け取り、本を渡す。 1週間に一度こればさすがに常連だし、こんなやりとりは当たり前である。 爺さんに別れを告げて、急いで自宅へ戻る。 本屋から家まではそこまで遠くなく、歩いて5分程度。 息が荒くなっていたのを、歩いて落ち着かせながら家へと向かっていた。 空は次第に太陽の光を持たなくなり、やがて星空が浮かんで来る。 この光景がまたたまらない。
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