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「あいつら可愛いやろ~」
村の人間全員に挨拶をしながらクリスは先に進んでいた。
「そうですね、心が洗われました」
魔族だろうと子どもは可愛い。
「あ、それと、あなたのライウィンドの素性を教えてください。話合わせないと」
「あたしはいろんなとこ旅してる魔族の姉ちゃん、いちお学者や。これくらいでええか?」
「はい、では私はその従者ということで」
「ん。
やっとついた。入るでナユタ!」
酒場のドアが勢いよく開け放たれた。
中にいた人間全員がドアを開けた人物を見る。
「ようみんな、元気やった!?
みんなのクリスちゃんが久しぶりに来たで!」
全員がクリスを見る。
『マジにクリスじゃん!』
『友達にしたい女No.1!』
『そして嫁にしたくない女No.1!』
「やかましいわそこ! 喧嘩なら言い値で買うで!」
ギャーギャー騒ぐ中、ナユタはカウンターに座った。
「あなたはクリスさんの…」
いかにも寡黙そうなマスターはナユタを見て一度考える。
「(なんかかっこいい大人だ、いや僕の方が年上だけど)」
「クリスさんとできちゃってるわけですね!」
「(ただのめんどくさいおっさんだ!)」
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