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「…その水は、剣の性質を持っているんですよね」
珍しく、ナユタから突っ込む。
横に薙いで両手をのけぞらせる。
だが、後ろから水の剣が飛んでくる。
それをかわして距離を一度とる。
「(動き案外速いな、魔力量増えて力上がれば…)」
二人は何故か距離を詰めてこない。
「ボボッとはつどー」
黒の少女が杖をナユタに向けて、適当に言った。
「フレイムスパイラル」
巨大な炎の螺旋がナユタに飛んでくる。
「(あれは、上級魔法、それも短縮詠唱をやってのけたのか!?)」
またいきなり刀を取り出し螺旋を二本の刀で強引に叩き落とした。
「魔法を落とした!?」
黒の少女を除いた三人が驚く。
「おわらないよ」
杖を地面に突き刺し、先に手を据える。
「ウィントブレイド、ウィントブレイド」
「(下級魔法の詠唱破棄の連続ですか)」
尚も少女は呪文を続けている。
ナユタは杖から出てきた見えない風を切り裂き、瞬く間に少女を間合いに入れる。
「させるかよ!」
ハカマが割り込む。
刀を合わせたあと、蹴って二人まとめて吹き飛ばす。
白の少女が二人に寄り添う。
「(彼女が回復、二人が接近戦で注意をひいて魔法使いがこの時点では不釣り合いの火力でトドメ、といった所でしょうか)」
ナユタはソウマに向き直る。
さらに刀を二つ、合計四つの刀を腰に差す。
「次はあなただ、勇者ソウマ」
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