1人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前は魔族なんだろ? それもかなり強い」
「強さはともかく、魔族というのは否定しません」
ナユタはソウマの質問に答える。
「魔族は人間の敵だ、俺は魔族が人を殺すのを聞き、見てきた」
白の少女が俯く。
「だから、誰かがやられる前にやる、そう決めた。極端だと言われてもそれが一番だと信じている」
「では、僕が無害な事をどうにか証明できれば、見逃してくれると?」
「無理だな」
ソウマはすぐに切り捨てる。
「そんなの証明なんてできっこない、だからここでお前を殺す」
ナユタはソウマをしっかり見つめ、またもやため息をつく。
「と、話をしても今生殺与奪の権利は完全にこちらにありますので、普通に逃げさせてもらいます」
ナユタは四十本の刀を浮かせたままバーに戻っていく。
「お~い、ナユタ!」
バーの入り口で倒れた男を椅子代わりにしたクリスが黒の少女を差す。
「魔女っ娘、まだやる気やで」
「はあ…でも伝説魔法を出して後何が出来ると?」
ナユタはめんどくさそうに振り向き、絶句した。
「『rank:ultimate』」
少女の周りの三つの強化陣が赤く輝く。
「『version:fire』」
「こりゃ、ちょっと洒落にならんな」
最初のコメントを投稿しよう!