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「…待て」
そんな二人を止める声。
「…あなたがた、もう戦う力なんてないでしょうに」
「名前を聞かせろ」
気絶している黒の少女を抱えたソウマは二人を睨む。
「…どうします?」
「まあええやろ。それに美女Aとストレスで老けた兄ちゃんAは嫌やろ」
「誰のせいだとおもってんですかね?」
ナユタは青筋を浮かべ、それをクリスはなだめる。
「魔族勢力中最強言われる『六角』序列第二位、『魔王』クリスや、以後頼むわ、つっても形式上の位であんなかじゃ弱い方やけど」
「同じく『六角』序列第五位、『数多』ナユタです」
「魔王…お前が」
「せや、君の倒すべき目標。どや、美人やろ~?」
クリスは体をくねくね動かす。
「ではこれで私達は失礼しますね」
クリスが指を鳴らす。
「テレポーテーション」
二人の姿が消えていった。
「…消えた、逃げた、ということですか?」
リーリアがソウマに尋ねる。
「逃げた? そんなんじゃないだろ。見逃されたんだ、俺達は」
ソウマが黒の少女を下ろし、近くの木を思い切り殴る。
「ソウマさん、血が…!」
「強くなる、あの魔王よりナユタとかいう魔族より!」
すると、どこからかバーのマスターが歩み寄ってきた。
「…強くなりたいかい?」
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