1人が本棚に入れています
本棚に追加
「……おや?」
ライガがいきなり首を傾げた。
「…風向きが変わった?」
「たしかに、変わりましたね」
マキアが頷く中、ライガは楽しそうに笑う。
「なんか幸先いいね」
「…なにかおっしゃいましたか?」
「ん~ん、独り言。
でマキアはどうしてここに来たんだい?」
「…仕事が入りました」
「ウェルトスターヌの?」
「いえ、クリス様からです」
「そっ、か…」
ライガは楽しそうな顔から一転、つまらなそうな顔になった。
「まあ、しゃあないか。
場所はどこかな?」
「メイリンガ砦です」
「あそこって、フルヌルの近くの高い城壁がある場所?」
「はい、今回は私もついていかせてもらいますが構いませんね?」
またライガの顔が嬉しそうになる。
「うん! 数日だけでも旅の道連れは多い方がいい」
コートを脱ぎ、葉の根元に巻いておく。
「さて準備OK、いこうか」
袖を開いて捲りながらライガは言う。
「『六角』序列第一位の力、存分にお振るいください」
「それなりに頑張るさ、行くよ!」
ライガが葉から飛び降り、マキアも続く。
どんどん落ちていき、音も無く二人は着地。
そして大きく跳躍し、着地。それだけで居住地から出ていく。
そして二人は走っていった。
最初のコメントを投稿しよう!