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「じゃ、ここは任せたよマキア」
「わかりました。ライガ様、どうか油断せずに」
「わかった、じゃね」
手をふって城の二階へ飛び移るライガをマキアは見届けた。
「さて、私はここで」
「いたぞ! 魔族だ!」
「一仕事しますか」
マキアがチョーカーに触れる。
脚の関節が逆になって四足歩行となる。
前脚から爪が伸び、服の周りを黒い霧のようなものが覆った。
「やられたいものからかかってこい」
全長約二メートルの狼が雄々しい咆哮をあげた。
「あっちが騒がしくなってきたね、マキア張り切ってるな」
二階の窓を音をたてずに粉々にしてライガは廊下を歩いていた。
「要塞都市とか言うから、城の中は軍関係のものが並んでるかと思ったら、普通の部屋もあるんだな」
敵がいれば連絡される前に潰してライガは一部屋一部屋ゆっくり物色していた。
「冷蔵庫の中には特産品あるかな」
目的は食欲を満たすことらしい。
「食料貯蔵庫とか調理室とかはどっこかな~?」
曲がり角の廊下の先の兵士がライガを見つける。
ライガはその瞬間二百メートルはあろうかという距離をつめて気絶させた。
「ここは、武闘場?」
ドアの前のプレートをなぞる。
「入るしかないな」
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