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「ちょっ、クリス様、タマモ様がお見えに…!」
「ちょっと遊び行くだけやから、安心してな!」
飛んでいく竜の背中で手を振る。
「タマモ様になんて言えばいいんですかー! って行っちゃった……」
メイドはとりあえず窓を閉めて、それから頭を抱える。
「え、これホントどうすんの? タマモ様遅くても半日後にはここ来るのに…」
ブツブツ呟くメイド。
しかし彼女にのみ聞こえる城の呼び鈴のようなものが鳴った。
「蒼騎士さんかな? 調査終わってちょうど今頃戻ってくるらしいし」
メイド服の背中の肩甲骨あたりを掴む。
横に引っ張ると、その場所に二十センチ程の穴ができる。
その穴から見えていた真っ白な肌がいきなり揺れ始めた。
一瞬止まり、黒い翼が生える。
助走をつけてジャンプし、翼を羽ばたかせてもう少し高く飛ぶ。
地面から五メートルくらいの高さでさらに羽ばたかせ速度を上げていく。
「蒼騎士さん今回どんなお土産持って帰ってきてくれたかな~?」
鼻歌を歌いながらメイドは入り口まで飛んでいく。
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