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「……」
ライガは三階をぶらついていた。
「マキア遅いな」
「すいません、兵士に見つかってしまいまして」
ライガの後ろには、兵士と戦ったにしては汗一つかいていないマキアが立っていた。
「おし、ちょっと一階行こう」
「ここの捜索はもうよいので?」
「うん、もしも俺の予想が合っていたら、ここは兵士の私室、変なものはない」
ライガはまっすぐ階段に歩き出した。
「俺としては、絶対に合っててほしくない仮説なんだけど」
一階に降りて、真っ直ぐ奥に向かっていく。
「…ライガ様」
「うん…わかってるよ」
ライガが拳を握り締める。
「ライガ様?」
「ああ、すぐにわかるさ。嫌でも」
ライガからは怒りの表情が見て取れた。
「ごめん、俺暴走して気絶したらおぶって帰ってくれ」
ライガの言ったことに対してマキアは絶句していた。
「(ライガ様が暴走したら…とりあえずフルヌルあたりまで吹き飛ぶんじゃ…)」
キレたライガが地面を殴りつけて地割れを起こし、フルヌルごとメイリンガ砦を土に帰す想像をして体を震わせる。
「マキア、来るよ。
決して目を反らすなよ」
ライガは正面を見ながら数歩下がる。
天井から何かが落ちてきて、床を破壊した。
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