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槍を抜き取り、包帯で止血する。
「すいません、私は医療魔術の心得がなくて…」
「大丈夫だってマキア。
心配しすぎ」
「お兄ちゃん…ごめんなさい」
二人の少女より速く泣き止んだ少年はライガに謝る。
「大丈夫、これでも兄ちゃん魔族の中で一番つよいって言われてんだ」
見えないように傷口を押さえながらライガは笑う。
「ところで、マキアにお願いがある」
「なんでしょう」
「この子達と、他の半魔族を探して、フルヌルまで出ててほしい」
少年達に見えないように背後に振り返る。
「メイリンガ砦、ここを沈める」
ライガは今までにないほどの怒りを見せていた。
「…わかりました、後はお願いします」
「…これで半魔族の資料は全てだ」
「この裏口なら…」
「お前ら、何逃げようとしてんだ?」
「…例の侵入者か!?」
「どうして逃げようとしてるか聞いてるんだ」
「やれ、ファイアアロウ!」
「邪魔だ」
「な、中級魔法を手で弾いた!?」
「兵士と傭兵はいい、でもお前らはダメだ」
「ライトニング!」
「お前らは半魔族を兵器みたいに扱ってる」
「なんできかない!?」
「お前らは、生きてちゃいけない」
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