sideソウマ ascetic

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リーリアの手足から金色の魔力が消え、リーリアの動きが鈍くなった。 「…効力切れだが、下がるか?」 ユキムラは剣を拾って鞘にしまいながら問う。 「まだです」 リーリアは手袋に赤い魔力を纏わせる。 「強化陣。仕掛けてくるか」 ユキムラは刀を抜き、構える。 リーリアは目を閉じて、詠唱を進めている。 「リーリア、あれやるのか!?」 三人が驚くのを見て、ユキムラは気を引き締める。 「レイズ・フォーリング!」 「(伝説魔法!?)」 少女の真上に出てきた陣から九つの光が吹き出る。 それらは重なりながら上に上がっていく。 一つになったそれは、ユキムラに向かって飛ぶ光線になる。 「……円!」 刀に手を触れてユキムラは叫ぶ。 すると刀は液体のように形を変えて丸くなった。 「…盾よ!」 それが固まり、金属光沢がでる。 「(…耐えれんな、畳も変えるか)」 空いた左腕で畳に触れて同じように叫ぶ。 するとまた畳は丸く変わる。 「魔力付加」 畳に金属のそれとは違う光沢がつく。 刀の盾が破られ、畳の盾を削った所でようやく消えた。 「(魔力はやや使った。それをあそこまですり減らすとは。 それにあのレイズ・フォーリング。発動から先の手順も威力も違いすぎる。 彼女は…コダンだな)」
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