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「…下がってよし」
すっかり疲労困憊のリーリアが下がる。
「次は…アオイの息子、お前が来い」
ソウマが立ち上がり、双剣を抜いた。
「…お願いします」
一礼してから構え、踏み出す。
ユキムラは高速の剣戟を難なく受け止める。
「貴様の本気をさっさと出せ」
「言われなくても!」
ソウマは肘から水の剣を出す。
「『蒼刀・二水』の青嵐四刀流。懐かしい限りだ」
目を少し細めて笑うユキムラ。
「(特訓ではいつもあれにやられていたな)」
水の剣で上下から挟み込む。
「(そう、水に気を取られていると、本物の剣が飛んでくる)」
かわして本命の剣を受ける。
ユキムラの大上段からの振り下ろしを左手の剣と水二本で受け止める。
そして残った右腕の剣を使うために右足を後ろに下げる。
そして手首をスナップさせて峰の方にし、下に突く。
「その程度で勝った気か?」
ユキムラは刀を逆手に持ち替え、ソウマの剣の真ん中を蹴る。
「!?」
剣が吹き飛ばされ、右肘の刀も消える。
「…蒼刀・二水の弱点は刀を手放すと水の刃も消えてしまい、戦力が半減することだ」
腹にタックルされ肘で左手の剣も弾かれる。
「終わりだ」
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