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「あとは君だけだ」
「ミクです」
黒い服の少女が立ち上がる。
「実際君を鍛える師匠となるものはもう決まっているのだが、できれば今君が現在使える最も強い魔法を使ってくれないか? 単なる私の好奇心だから断ってくれても構わない」
「わかりました」
ミクは強化陣を自分を囲むように三つ作る。
「『rank:ultimate』
『version:fire』」
強化陣が赤く輝く。
「(まるで…セイヴィアを見るようだな)」
剣をまた盾にする。
「この剣は私の愛剣、対魔法武器『デュランダル』」
盾となったデュランダルは不自然な光の波を作り出す。
「究極魔法すら消し去る盾だ」
「『究極魔法』」
詠唱を完了したミクが右腕をユキムラへ伸ばす。
「デストロイワールド」
赤い光の光線がユキムラの盾にぶつかる。
当たった部分に波が集中していく。
「……なるほど、予想をはるかに越えた実力だ」
ユキムラは盾の形を少しずつ変える。
拡張し、曲げ、光を包み込むように。
そして、光を包み込み、銀色の球体となる。
時折それは球を破らんと暴れるかわ、そのたびにユキムラが魔力をこめて抑え込む。
そして、球は縮んでいき、水晶玉ほどの大きさになってからユキムラは剣に戻した。
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