sideソウマ ascetic

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「『具現術』?」 「そう、見ただろう。 術を防ぐ為に使った盾」 「はい、しかしあれがどうしたと…」 「君には、その素質がある」 その部屋は窓がなく、暗い。 「…お前達の組み合わせは一見バランスが良いように見える。しかし圧倒的に足りないものがある、なんだと思う?」 「…分かりません」 「正解は防御だ。 全員が攻撃的スキルが多すぎて防御の技術が少ない。 魔族が強大になるに従って自ずと防御が出来る人間が必要になってくる」 部屋の中でユキムラは全身に力をこめる。 すると、彼の体を薄い水色の膜みたいなものが覆う。 ユキムラは右手を見つめると、水色の膜は右手に集まり、ボウリング大の大きさとなった。 「完璧な防御の力をもてば、終始優勢に戦いを推し進められる。 不意の防御は、必ず相手の隙を作る。 …円盤よ」 畳に水色の球を押し付ける。 球は薄く張りのばされ、畳はそれに引き寄せられるように浮き上がる。 そしてのばされ、畳の円盤が完成した。 「攻撃の瞬間とその後のイメージを常に考えているお前には、具現術を使いこなせる」 ユキムラは円盤を畳に押し付け、魔力を再びこめて元に戻した。 「最強の防御術であるこの具現術を、再び集まる三か月後まで完璧にする」
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