1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここは、大聖堂?」
リーリアは、扉の先で周りを見渡していた。
「装飾もなんか豪華なものばかり」
教徒が座る椅子や、ステンドグラスを眺める。
「あ、あれって、アイラムの聖書!?」
リーリアが司祭のところにある本を見る。
「アイラムの聖書…やっぱりレプリカなんだろうけど、生で見るのは初めて」
色々な角度から見るリーリア、瞳はさっきから輝きっぱなしだ。
「それは、本当のアイラムの所持していたといわれる聖書ですよ」
後ろから突然話しかけられ、リーリアはヒッ、と叫び肩を大きくふるわせる。
「そこまで驚かれても…」
「すいません、触ってないですから!」
リーリアは司祭の席から離れてそれから声の主を見る。
「コ、コダン様!?」
四十を過ぎたあたりの女性だった。
しかし、肌のきめ細やかすぎや皺の少なさなどはまだ若い女性のそれ。
そして聖母アイラムの纏っていた純白の衣装。
ミラドゥクサのポピュラーな宗教、アイラム教の大司教にしてアオイと共に魔王討伐を果たした大賢者コダンだった。
「あなたがユキムラの言っていたリーリアですね、お話しはかねがね聞いております。強くなりたいのですね?」
最初のコメントを投稿しよう!