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上空。竜の背中。
「もう、いやだ…」
クリスに強引に連れてかれたナユタは頭を抱えてずっとその言葉を続けていた。
「なんや、こんなべっぴんさんな魔王連れて嫌だなんて失礼ちゃう?」
「魔王だから問題なんですよ!」
「別に今日は誰か来るなんて行っとらんかったやない」
「は?」
ナユタはクリスの言葉を聞いて目を丸くする。
「僕とリリスの話、聞いてましたよね?」
「話?」
「三日も前から言いましたよね、タマモ様が近くお見えになるって」
のんびり風に吹かれて揺れていたクリスの動きが止まる。
「タ、タマモさんが?」
「聞いてなかったんです…ね」
ナユタは嘆息する。
「…もし留守中にタマモさん来たら…」
「リリスに遊びに行くって行ってたんで逃げ切れないです、説教は確定ですね、僕もあなたも」
最後の方は責めるようだった。
「逃げ「きれないですね」…そうやよな~」
クリスもため息をつく。
「二人で逃げる?」
「いやです、リリスとならやりますけどあなたは。あとライガ様やタマモ様に出張られたら瞬殺される自信ありますからね」
「まったくもって同意やね」
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