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「すげー」
カントとシュウはクリスの知り合いとわかると一気に近づいてきた。
「ねぇナユタお兄ちゃん!」
「どうしました?」
「ナユタお兄ちゃんは、魔族?」
「…クリス様?」
ナユタはまたどこからか刀を取り出す。
クリスは明後日の方向を向いて口笛を吹いている。
「すげー剣だした!」
「かっこいー!」
そう言ってナユタの周りを走る子どもたち。
「どうして僕を魔族と思ったのですか?」
「それはね、クリスちゃんは魔族だし、時々魔族連れてたりするから!」
「ま、魔族まではセーフやろ!?」
ナユタはしばらく顎に手を当て考え込む。
「まあ、いいか。
僕は一応魔族ですよ」
「すげー人みたいな魔族!」
「ルル兄ちゃんとクリスちゃんしか見たことなかった!」
「そのルル、という方も魔族なのですか?」
「うん、強いんだよスッゴく!」
「おーいナユタ、そろそろバー行こか」
クリスはまた二人の頭を撫でた後、村の奥へ歩き出した。
「ナユタお兄ちゃんとクリスちゃんはしばらくいるの?」
「すいません、事情がありまして、ある用を済ましてしまったらまた旅に…」
さっきまで元気だった二人が肩を落とす。
「でも、その用が終わるまではいるんだね!」
「それまでにたくさん遊ぼーね!」
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