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12月の夜を彩っているイルミネーションの華やかさが、私の心に影を作り出す。
冬枯れの葉が、冷たい風に揺れ落ちて、街路樹の足元にまとわりついている。
木枯らしに踊り疲れたその姿は、今の私に似ている。
私には両親がいない。
父は、自営業をしていたが、多額の借金を残して8年前に夜逃げした。
母は、元々病弱だった体に心労が加わり、3年前に死んでしまった。
世間はあらぬ噂をたてて、汚い物を見るような目を向ける。
厳しいだけの風に吹かれ、枯れていくのを待つだけ....
私の人生なんてそんなもの。
もうたくさん。
消えてしまいたい。
私が死んでも悲しむ人なんていないから....
ここから飛び降りて死んだとしても、誰も気がつかないかも知れない。
それほど私はちっぽけな存在なんだ....
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