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「なんか凄い話だな……」
太郎の話を聞いて太は驚いた顔をしている。
「でもさ、あたし達凄く勿体ない事してない?」
残念そうに真弓ちゃんは言う。
「そうだよな~。
お互い両想いだったのに気づかずにバラバラの高校に行ってしまったしな」
太郎も寂しげに笑った。
「……今からでも遅くないよ」
あれ?
あたし何言ってるんだろ?
「聖子……?」
あたしの発言に流石の真弓ちゃんも戸惑っている。
当然だよね。
「あたし達今から付き合っても遅くないよ!」
ええい!
ままよ!
この際だから言っちゃえ!
「……貴女は仲良し四人組から恋人に変化してもいままでと変われないようにいれる?」
真面目な顔して真弓ちゃんはあたしに尋ねてきた。
「当たり前だよ!
あたし達『親友』でしょ!
『仲間』でしょ!」
そうだよ。
こんなんで崩れてしまう友情なら……。
……あたしはいらない。
「そんな臭い事言えるの星野くらいだよな~」
そう言って太は笑った。
「そういう聖ちゃんが好きなんだけどね。
俺は聖ちゃんの意見に賛成だな」
あたしの傍に来て太郎はあたしの頭を撫でた。
太郎の大きくて温かい手は心地好かった。
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